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執筆者の写真mariko sagami

大竹伸朗展、東京国立近代美術館へ行きました。

更新日:2023年3月16日


大雪で不要な外出は控えてくださいという政府のお言葉がありましたが、

いろいろな都合があり、関東へ行きました。


滞在中の東京は、概ね晴れていて助かりました。

とは言え、冷たい空気と風が通り抜ける東京の街をそそくさと移動し、

大竹伸朗展、東京国立近代美術館へ向かいました。


到着しましたら、テラスから顔を出す「宇和島駅」の文字。宇和島アピール、地元愛、強すぎでしょ笑、と心の中でツッコミつつも、国立近代美術館の経年変化したコンクリートにネオン管がマッチして哀愁が漂っている。そんな姿に、胸がぐっとして懐かしさというかなぜか涙が出そうになりました。


こちら、愛媛、富山の巡回展のときどうなるのか楽しみではありますが。



荷物を預けて入場。なんとなく来ている層がわかり易い、感度高め、ハイセンスな観覧者たちを横目に中に入ると、よく来たな、と出迎えたロックな男、向こう側には「ストラト」。


「自/他」「記憶」「時間」「移行」「夢/網膜」「層」「音」というテーマに沿って7つのセクションに分かれた総勢500点の作品たち、一度ですべてを網羅することは難しいので、ここでは私がハッとして写真を撮ったところだけですが感想を記そうと思います。

032「マティスにならって」2007年作

個人的に一番好みです。時代を超えて、2015年作の031「豆腐屋のとんかつ」と並べられているところに、違和感を感じず、入場後すぐにじーっと立ち止まって見入っていました。



奥へ進むと猥雑な雰囲気の中「モンシェリー」という看板が煌々と迎えてくれます。

(看板の写真はありません)


拡声器から流れる

〽︎ノーリターン

〽︎ノーリターン

という音、というか歌が響きます。

















大竹さんの脳内を映し出す「スクラップ小屋としての自画像」こんな飲み屋があったら確かにノーリターン、ええ、まだ帰りたくない、帰らない、そんな気持ちを誘うことでしょう。


お決まりのニューシャネルにじわりと感動するあたり、私という人は一体何者なんだろうとしばし考えてしまいました。この向こうにいるママに会うのはちょっと今日はやめておこうと思います。笑。




















080「象Ⅱ」1985

不自由さを感じます。


1984年作の

222「東京-京都スクラップ・イメージ」の中から好みのところだけ切りとり、写真におさめました。大竹さんの作品では、深いグリーンの油絵に惹かれます。

これ今回の展示で二番目に好きです。

油絵なんですが、水彩画のように白を抜いている感じに惹かれます。





100号サイズくらいでしょうか、すっと惹きつけられる存在感の二作品。

059「4つのチャンス」左

060「赤いヘビ、緑のヘビ」右

これらの作品は両方とも1984年の製作となっています。

約40年前のものですが、逆に今っぽい気がしますし、刹那な感じが対で好みです。


奥へ奥へと進むと、蛍光灯に照らされたスクラップたちがずらりと並ぶゾーンが続きます。


繰り返される雑誌からのインプットと頭の中のアウトプット、これらの連続を見せつけられました。

それは凄まじい量で、全く時間が足りません。



爽やかな猥雑、秩序ある混沌、理路整然とした困惑が私の中に押し寄せ、最後は吐きそうになりながら、「音」をテーマにした作品を見るのを忘れてしまいました。


最後にもう一度「マティスにならって」のところに戻って作品を拝見し、物販コーナーへ。


こちらではスクラップブック、シールやマスキングテープなど、たくさん並んでいて、見ているだけで面白いグッズたちでした。


ここでは語りきれない作品の数々、私のボキャブラリーでは限界もあります。

この後、愛媛県立美術館2023年5月3日(水)〜7月2日(日)、富山県立美術館2023年8月5日(土)〜9月18日(月)と続きますので、東京に行けなかった方は、そちらへ生々しい芸術を観に行ってみてほしいと思います。


そして私は、図録を手に、東京国立近代美術館を後にしました。横断歩道を渡ろうとしたところで、マンホールに出たり入ったりする作業員二人がいました。

二人組は、「あにき〜っ頭でました!」「おおっ」と叫んでいたのですが、

ややや、なんやこれ〜、これも展示の続き?大竹さんが仕組んだの?

そう思わされるような素敵な場面に出くわすことが出来ました。


その光景に後ろ髪を引かれながら、信号を渡り余韻を胸に駅に向かいました。


※図録、読みにくいぜ、大竹さん。

でも帰りの電車で大きく広げて読みたい気持ちにさせられました。笑。











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