暑い8月の日の話、もう一つ気になっていたところへ。
東京日帰りのため、マティス展の前の短い時間の間にいける場所ということで、上野の東京国立博物館敷地内にあります法隆寺宝物館に行ってきました。
宝物館の中もですが、こちらの設計が気になっていました。
石川県金沢市出身で、金沢市内の鈴木大拙館の建築、設計なども手がけられた谷口吉生の設計した建物です。
モダンなのですが、閑かに自然と共存して佇んでいる建物。
池の水が夏の日差しを受け止めるように風に揺れて、
木々の影も揺れる美しいインスタレーションが出迎えてくれます。
ホワイエは柔らかい光に包まれるような吹き抜けの空間となっておりますが、展示室内は、反対に、暗い闇の中に放り込まれたような、その空間に遠い過去を思わせます。
二階の展示室に入ると、菩薩立像、如来坐像、菩薩半跏像がフロアいち面にに50躯近く、暗闇に浮かび上がるようにずらりとならんだ光景に圧倒されます。
360度ぐるりとそれら菩薩像を身近に眺めることができるのですが、正面から作品そのものと向き合えるようにキャプションなどの説明はサイドに添付してありました。作品よりも、文字や説明に引っ張られてしまいやすい、今の時代において、谷口さんの思いが細部にまで浸透していると思いました。
展示室はカメラ撮影不可ですので、美しい菩薩立像の姿や手を少しデッサンしていました。学芸員さんにとって怪しい行動をする人物だったと思います。笑。
7世紀から8世紀の奈良、法隆寺に収められていた金工、木工、漆工など、教科書などのそれとは違う、美しい本物を身近に感じることができます。
正倉院宝物が8世紀の作品が中心であるのに対して、それよりも一時代古い7世紀の宝物が数多く含まれていることが大きな特色だそうです。
東京国立博物館 法隆寺宝物館 H.P.
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