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執筆者の写真mariko sagami

1分で描いた”モノ”も立派な作品となる。小さなクロッキー会初夏のこと。

6月に集まったクロッキー会も10分間クロッキーから始まり、だんだん時間が短くなり最後は1分間クロッキーとなります。それぞれが1分で描いたものがなんだかおもしろいと私は思っています。そのうち「1分」というタイトルでグループ展をしようかな。今回は、参加者の作品をご紹介する回とさせていただきます。(写真にキャプションをつけていますが、誰かを評価するものではないので、悪しからず。)



"1分で描く"というのは、時間とのせめぎ合いによる焦りと不安、そして集中。脳の緊張が気持ちよくて、思ってもいない面白い線が描ける。

瞬発力、観察力、集中力のトレーニングにもなり、それはいつかその作家の宝物になると思っています。


力が抜けていていいなぁ。Fさん。

今回から、仲間を描くクロッキーを追加しました。

プロのモデルさんは時間に制限があるので、あれよあれよと帰ってしまいます。なのでその後にクロッキー会のメンバーをモデルにして一人2分間中央に立って、6-7人描けました。


一期のIさんの独特なタッチ。

ただ、すごい。Qさん。

この会は一つのコミュニティであって、それぞれがそれぞれに学び、気づき、共有する場です。(もちろん基礎的なことを学ぶのであれば、私も通っていた大阪の玉造にありますMasa Mode Academy of Artをご紹介することもあります。)


一期のSさん、美しい。

面白い話がある、

昭和三年から四年(1928年-29年)

二科会の研究所に毎週一回行って(講師として)書生さんとデッサンなどをしていた熊谷守一が、その研究所の肝いりの一人に「お前がうまく教えないからいい絵かきが出ないじゃないか」と言われたそうです。

その時熊谷守一が放った言葉が小気味良い。

「先生に教わるようなことでロクな絵かきが出た試しがあるか」*1


もう出来上がっている。流石ですKさん。
「久しぶりでした」そうは思えない観察力。
裸を想像して描くという彼女、表情まで良い。

もちろん基礎的なところは教わることが大事なんだと思います。ただそこからは、教え方より"学び方"が大事だと言っているように感じました。

自分で掴みに行かないと、何も残らない。答えが簡単に目の前にやってきたって、すぐに忘れてしまう。答えを探すプロセスの中に本当の学びがあって、力が身につくのだとわたしは経験を通してそう理解しています。


初めて?!グラフィックデザインをされているセンスの良さ。


1分で描いた"モノ"にもちゃんとそれぞれがサイン、署名をしたところで、今回は終了となりました。脳に汗をかかせたあとのビールも美味しかった!


*1 熊谷守一著 "下手も絵のうち”平凡社ライブラリーより抜粋









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